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こころの健康に参考になる本の紹介 カウマンの本棚㉕
「仕事に「生きがい」はいりません」
金間大介、酒井崇 共著
SB新書(25.12.15発行 本体1000円)
若者の意識変化、特に中年世代との違いについて、その現状と原因を考察
した本です。共著ですが、ありがちな視点の相違や読みにくさはなく、問題
点の整理と追及の方法の違いが、良い方向で活かされている内容です。
「活気ある職場」「仕事熱心な上司」が理想でない「今の若者」は何を求め
ているのか。「目立ちたくない」「みんなと同じ」がいいということなのです
が、その理由は?職場の若者指導で悩まれている方にはヒントになるでしょ
う。でも、解決策までは載っていません。まずは知ることから、ですかね。
★ 気になったところ
〇「どんな資格を取っておくといいですか」合理的なタイパ志向の若者たち
は、無駄な努力を嫌う。そのため、この世界を効率的に生きる上で有効な
テンプレートを一つでも多く欲しがる。(p18)
〇 若者が理想とする職場は、この10年間で「お互いに助け合う」「お互いに
個性を尊重する」が伸びて「活気がある」「お互いに鍛えあう」は低下し
ている。ただし、「個性の尊重」とは「全員優勝」のことで「一切否定も
批判もしない」ということだ。(p22)
〇「2年半は自分探し」→だから「なんでもやる」
「最先端のスキルが欲しい」→なぜなら「夢を実現させたい」
「本当は仕事をしたくない。趣味に行きたい」→そのために「今はハードワークする」
若者たちの多くは、この「後半部分」が無いのだ(p57)
〇良い給料は欲しいし、気楽さも捨てがたい。その2つが担保されるなら、仕事のやりがいや面白さは不要です。
そんな若者が増加している。仕事よりも私生活で充実感を得るように変化している。もちろん、仕事優先の若者
もいるが、その若者が自分の意志で選択する、1種の趣味のようなものになるのではないだろうか(p68~)
〇人が成功する要因として「生まれ持った才能や環境」と「自らの努力」とどちらが重要かという問い。中高年は
「努力」だが、若者は「才能」回答が多い。
今の若者は、努力を公平なものだと思っていない。
努力できる人は、その時点で恵まれている人。そもそも「何かに興味を持つ」とか「やりたい事がある」という
状態こそが、恵まれた人の特権という認識すら成り立つ。 努力とは、努力すれば、その分の見返りがあるだけの
才能や環境に恵まれた人がするもの、と考えているのだ。(p84~)
〇飲み会について。飲み会の場で本音を話したいとは思っていない。飲み会自体が好きではない。実は、同世代と
の飲み会も好きではない。気が進まないけど、誘われれば、断らないZ世代男子。多人数の飲み会が好きという
人は、昔から少数派。絶滅危惧種の「宴会部長」
結論、「先輩たちよ、若者をご飯に誘おう」(p102~)
〇 若者の4タイプ
①「悩ましいいい子症候群タイプ」拒否回避要求強い、承認要求強いタイプ
場違いなことをして、変な奴と思われたくはないけど、ほめられたい。リスクを取って周囲から反対されたくな
いけど、自分の能力や個性は認めてほしい(41%の若者)
② 「徹底的にリスクを回避:安全運転タイプ」承認要求低い、拒否回避要求が強いタイプ
リスク回避安全第一。そうした行動指針をもつタイプ(25%)
③「我が道をいく職人タイプ」承認要求弱い、拒否回避要求弱いタイプ。
自分が好きなものが見つかれば、それを隠すことなく、また特に他人からの賞賛を狙うわけでもなく、自分の思
うままに進んで行くタイプ(24%)
④「リスクを取る自己実現タイプ」承認要求強い、拒否回避要求弱いタイプ。
認められるのは嬉しい。だからといって、誰かから「変なの」と思われても、別にどうってことはないタイプ(9%) (p144~)
〇マッチングアプリが流行るのは、なるべくしがらみのない出会い、仮に成就しなかったとしても、後に影響を残
さない出会いを、拒否回避要求の強い今の若者たちは、望むようになっているからだ(p189)
〇配慮の塊のような身の処し方は、同質性の高い社会の中で、直情的には生きられない若者の姿と見ることもでき
る。上の世代から見ると窮屈この上ないが、若者にとっては心の平穏をみんなで担保し合う暮しは、結構居心地
のいいものなのかもしれない(p222)
