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             「悪習慣の罠」 山下あきこ著

                       扶桑社新書(23.7.1発行 本体1100円)

 

                    本の帯曰く「たばこ、酒、甘いもの、ラーメン、スマホ、パチンコ、恋

                   愛・・・ なぜ? 好き、楽しい、美味しいが病気になるのか?癒しにハ

                   マり、依存堕ちる」いきなり、怖いスタートですね。

                    なぜ依存にハマるのか、「 快楽と幸せを混同している限り、悪習慣の罠

                   から抜け出すことはできない。「お酒を飲んで幸せ。タバコを吸って幸

                   せ」と言っていたら、「お酒のない人生は不幸、タバコのない人生は不

                   幸」となってしまう。依存しない程度に適度に楽しめばいいと、多くの人

                   が言う。しかし、なぜそんなリスクを冒すのだろうか。それは、人生全体

                   の長期的な幸福を意味する幸せ(ユーダイモニア)では物足りない、満足

                   できないと思い込んでいるからだ」

                    「つまり日ごろから「幸福貯金」を貯めておけば、慌てて快楽で埋め合

                   わせなくてもよいのだ。だが、「幸福貯金」が底をついたら、快楽で借金

                   しなくてはいけない。快楽は幸福の借金なのだ」

  では、幸福貯金は どうやって貯めるのかというと、

① 感謝の気持ちを表す。

② 楽観的になる

③ 考えすぎない、他人と比較しない

④ 親切にする

⑤ 人間関係を育てる

⑥ ストレスや悩みへの対抗策を練る

⑦ 人を許す

⑧ 熱中できる活動を増やす

⑨ 人生の喜びを深く味わう

⑩ 目標達成に全力を尽くす

⑪ 内面的なものを大切にする

⑫ 体を大切にする。瞑想と運動。

 

が紹介されています。確かに、どれもこころの健康にはよさそうですが、それでも、仕事のストレスで、ついついお酒飲んでしまう、というのが人間ですよね。

 つまり、ストレスや寂しさが原因でそれを紛らすために、一時的な快楽を求める。⇒癒された気分になる。⇒繰り返していると、快楽刺激に慣れ、より強い快楽を求めるようになる。⇒快楽刺激がないと、我慢できなくなる。⇒依存症になる。

ということです。これは「物への依存」(酒、タバコ、ドラック)でも「行為への依存」(パチンコ、買い物など)でも変わらない脳の働きによるのだそうです。

 では、依存症から脱却するためには、どうしたらよいのか。まず、ストレスが原因なので、我慢するのは、効果がないばかりか、欲しい気持ちを強めてしまう。仮に我慢できたとしても、別の依存が起きるだけとのこと。共通する対応としては、

① まず、最初に必要なことは「なぜそれを辞める方がいいのか」という理由を知って、心から納得することだ。頭で理解するのと、「腹落ち」する、つまり、しっかりと納得することは全く違う。

② 自分の依存を、直視し言葉にして伝える。(家族、友人、同僚、医師)

  孤独は依存を助長する。

③ 体と心の声に耳をすますトレーニングをする。(運動、マインドフルネス、ヨガなど)

④ 睡眠を整える。

⑤ 食事では、糖質を控えめに、脂質を増やし、タンパク質を必要量取る。ビタミンB群とCを増やす。食物繊維を増やす。

⑥ 前向きになれる体の動かし方をする。テンポよく有酸素運動をする。(歩行4000歩など)姿勢をよくして過ごそう。隙間時間にスマホばかりみるのはやめいよう。

⑦ 自然環境で、ストレスレベルを下げよう。(緑の木、川の音、鳥の鳴き声)

 

 などです。あとは、依存対象、個別対応に技や注意が述べられています。

 ②~⑦は、ストレス軽減方法で、特に依存症がない方にも有効ですよね。ストレスが軽減しないと依存の根本原因がなくならないわけですから、なるほどです。

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