産業カウンセラーによる無料カウンセリング
お電話でのお問い合わせ先(平日・土日祝 09:00-19:00)
090-6689-2050
メールでのお問い合わせ(24H受付)
shonai.kokorojyuku@gmail.com

こころの健康に参考になる本の紹介 カウマンの本棚㉖
「誰にも支配されずに生きる
~アドラー心理学 実践編」
岸見一郎 著
幻冬舎新書(25.10.30発行 本体940円)
「嫌われる勇気」著者の最新作です。アドラー心理学実践編とサブタイトル
にあるように、ある程度アドラー心理学の基本を知っていないと、分かりに
くいと思います。「支配されずに」と言われると、ドキッとしますが「とら
われないで」という感じでしょうか。
この本では特に対人関係について説明しています。アドラーの「自分に価
値があると思える時にだけ、勇気が持てる」を引用して「その勇気を持たな
い限り、人生は苦に満ちたものであるとしか思えません。対人関係は煩わし
いもので、アドラーがいうように、人生の悩みは全て対人関係の悩みである
といわざるを得ないぐらい大変です。でも、生きる喜びや幸福もまた、対人
関係の中でしか得られません。だから、苦しいけど頑張って生きていこうと
いう勇気を持つためには、自分に価値があると思えないといけません」(p50)
としています。
気づきがあったところ
〇親の立場でいうと、子供を叱ってはいけないし、上司の立場の人は、部下を叱ってはいけないのです。叱らないだけでも相手は生きる勇気を持てるようになります。自分のことを、決して理想からの引き算で見ないで、現実を受け入れてくれている人だと相手が思ったら、その相手は自分を受け入れるところから出発していこうと思えます。
現実の自分から出発して、次にできることを考えていこうと考えられる勇気を持てる援助ができると思います。人生の中で、困難な課題に直面した時に、そこから決して逃げないで、その困難に対面する、取り組む勇気を持てる援助をする。そういうことをアドラーは「勇気づけ」といっています。
子供がどんなに自分の理想と違っても、とにもかくにも生きていることがありがたいと思ってほしいのです。そこに注目すれば、声をかけることができます(p51)
〇他の人が生きていることに価値があると思えたら、自分についても同じように思えるはずなのです(p52)
〇対等という感覚は、なかなか言葉で説明するのは難しいと思っていますが、これがわかることがアドラー心理学のゴールの一つです。反対に、これが理解できなければ、アドラー心理学が勧める多くの技法は、無効どころか有害であることが多いです。でも、そういう失敗も重ねながら、対等とはどういうことなのか考えながら人と接すると、関係は良くなっていきます(p115)
〇もしも電車の中で倒れる人がいたら、皆が可能な限り助けるだろうと考えていないわけではありません。そういうことが起こった時に、知らない人同士の集まりなのに、一体感が作られます。知らない人なのにみんながつながっているというその感じこそ私の理解ではアドラーがいっている共同体感覚です(p136)
〇親が、本来子供自身が解決するべき課題で困っているに違いないと考え、子供が頼んでもいないのに援助しようとすることがあれば、それは甘やかしだと考えていいと思います。なんとか力になりたいのであれば、何かできることがありますかという言い方を使います。このぐらいのことは言っていいのではないかと考えています(p138)
〇良い対人関係の条件は四つあります。一つは尊敬です。尊敬は、相手を対等とみなすことです。二つ目の条件は、信頼です。三番目は協力です。一人で解決しようと思わないで、困ったことがあったら必ず相手と相談することです。四つ目は目標の一致です。これからどこに行くのかという話です(p154)
〇親が子供を、上司が部下を叱ってはいけません。叱られた子どもは、自分に価値があると思えなくなります。これは知っておかないといけません。大人たちや上司は、悪意があって叱っているわけではありません。むしろ、善意で叱っているかもしれません。
しかし、もし理不尽な叱り方をしてしまうと、子どもは自分なんかダメな人間だと思ってしまいます。自尊心を持てなくなるし、自己評価が低くなる。さらには、自分のことが好きになれず、自分に価値があると思えなくなる。そうすると、勇気を持てなくなります(p172)