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                          「聞く技術聞いてもらう技術」 諸富祥彦著

                       SB新書(24.2.15発行 本体900円)

 

                          本書は「もっとしっかり繋がりたい」「もっと話を聞いてほし
                          い」「わかってほしい」そんな気持ちを叶えるための具体的な
                          対処法を示す本です。また同時に、周囲にいるほかの人が、そ
                          の気持ちに応えるために、「もっとうまく話を聞ける人間にな
                          りたい」「もっと気持ちをわかりたい」そのためにはどうすれ
                          ばいいか、その技術を具体的に示してくれた本です。

                           「聞くー聞いてもらう」「わかるーわかってもらう」関係
                          は、二人が協力してつくり上げていくものです。だから、双方
                          に技術があれば、スムーズにいくわけです。私たちカウンセラ
                          ーは聞く技術を学ぶことが多く、よくわかっているつもりなの
                          ですが、話す側の技術には新鮮な驚きがありました。

                           第1部では、「聞く技術」「わかってもらう技術」の初級
                          編、中級編が述べてあり、第2部ではさまざまな関係の上手く
                          いかない具体的なケースを取り上げ改善策を示しています。
                          第3部は上級編でプロが読んでも参考になる内容になっていま
​                          す。ここでは、第1部の内容を紹介します。

聞く技術【初級編】

大原則1 「聞きっぱなしのまま」そのままにする つまり、余計なことは言わない。簡単なようで、これがたいへん難しいですよね。

大原則2 「でもね」「そうは言ってもね」を言わない 1と同じですが、反論しない。そのまま終わる。

大原則3 アドバイスはしない これも1の細事ですね。特に男性は注意です。

大原則4 軽い一言で十分「そうか」「それは大変だね」 何も言わないわけにはいかないので、話すときは軽く相手の気持ちに寄り添う言葉を短く返す。

大原則5 「余計な一言」を言わない これも1の細事ですね。これもなかなかできないのですよ、実際は。

大原則6 聞いている途中でイライラしてきたら聞くのを中断する。

大原則7 イラッとしたら、その場から離れる。

大原則8  しばらく(2時間くらい)外に出て、心が穏やかになったら戻って聴く。

大原則9 穏やかな気持ちに自分を整えてから、聞く。

 一生後悔するような関係悪化の一言は、自分がイライラしているときに発する否定の一言によるものなので、6~9は一連で覚えておきたいものです。

わかってもらう技術【初級編】

大原則1 「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と言う こう言える人は悩みを抱えません。言うには勇気が必要ですね。

大原則2 「いつだったらいい?」と「いつどこで?」を予約する  

大原則3 突然、大事な話をしない

大原則4 一度に一つのことしかできない人間が何かに熱中しているときに大切な話はしない 

 1~4は、 場所と時間の枠づくりですね。準備が大切ということです。 

大原則5 多くを望まず「聞いてもらうだけ」でOKとする。いきなり「本当にわかってもらう」を求めない つまり大事な話ほど時間をかける必要があります。

大原則6 「言わなくてもわかってほしい」は無理、と心得よ

【中級編】 、第2部、第3部は省略しますが、初級編だけでも、簡単そうでなかなかできないことが多い原則です。これを守れたら、大抵の理解は深化するのではないでしょうか。

 別の本ですが、黒川伊保子さんが夫に話を聞いてもらいたいときには「10分間だけ、黙って話を聞いて」と言ってから話すそうですが、この話し方をまとめるとこうなりますかね。

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